川魚の代表

  生涯の寿命が一年である事から 「年魚」、
  瓜に似たいい香りがするので 「香魚」、とも書く
  この美しく上品な味の川魚、鮎(あゆ)。

  一般に川魚には、独特の臭みがありますが、この鮎という魚は
  異例中の異例で、とてもいい香りと旨味ですね。

鮎の料理

  鮎は一年で寿命を終えるので、季節によって大きさを変えて行きます。

鮎の姿

大きさによる料理法の一例                                 
季 節 呼 称 大きさ 主な料理法 鮎の塩焼き
4月頃 稚鮎 4~5 cm 天ぷら  唐揚げ
5月頃 子鮎 6~10 cm 姿焼き田楽
6~8月頃 成魚 15~18 cm 塩焼き  背ごし
9~10月頃 落ち鮎 18~20 cm 子持ち鮎甘露煮


  鮎といえば、やはり塩焼きが最高に美味だと思います。
  ここでは、「塩焼きの鮎」 についての説明をします。


鮎の選択

  もちろん、天然物の鮎が手に入れば最も良いのですが、
  市場の現状は とても高価で、また そのほとんどは料亭が
  買い占めていて、入手は難しく思います。

  あと一つは、鮎の住む川へ出向いて、手に入れる事でしょう。
  機会があれば是非とも足を運んで下さい。


  ご家庭で鮎を楽しもうと思うならば、「天然仕上げ」 という鮎ではいかがでしょう。
  ここ数年の養殖業者さん達の努力で、かなり天然物に近くなっています。

  体の表面が黄色みを帯びている物で、ボテッと太っていないものが良いでしょう。
  京阪神地方で、一匹 200円~300円で売っています。


鮎の塩焼き

   鮎の表面を流水にあて、手のひらでぬめりを取る
      うろこは、取っても取らなくても良い

   親指と人差し指で下腹部をつまみ、尾の方向へしごいて「糞」を出す

   はらわたは出さずに、そのまま「踊り串」を打つ


     串を口から入れ、中骨の下から 身をうねらせ、中骨の上から 尾をうねらせ、中骨の下から 1本の時は、金串をクロス。 2本以上の時は、竹串を横に通す



   化粧塩をする
      ヒレは焦げ易いので、塩をたっぷりと付けて焼く。
      またこうする事によって焼き上がりが美しくなる、、、、、が塩辛くもなる。
                                      
   強火の遠火で両面を焼く
      一般家庭の焼き魚グリルでは、かなり難しく思います
      野外などで炭火を使える時には、是非お試しを、、、。

   蓼酢(たでず)を添えて提供
      鮎の塩焼きに最もよく合う調味料が蓼酢でしょう。
      鮎蓼(あゆたで)の葉をすり鉢ですりつぶし、酢と混ぜ合わせた緑色の酢。
        (鮎蓼は料亭食材を扱う八百屋さんで購入。 酢は千鳥酢を使用 )

         鮎蓼、千鳥酢 
     乾物屋さんには、「瓶詰めの蓼酢」 も売っています
化粧塩。全てのヒレにベタ塩





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日本酒に鮎の風干し、 ビールに骨せんべい

  鮎は鮮度が落ちると腹が破れてしまいます。
  腹わたのない鮎の塩焼きというのは、とても味気のないものです。
  そういう時は、干物にしてみては いかがでしょうか?

塩水に漬ける

 扇風機で乾かす 


鮎は頭と腹わたを取り 3枚におろし、腹骨もすいて除く

3枚におろした身と骨を、海水程度の塩水に 10~15分漬ける
    昆布の一切れを入れると いっそう美味しい

身と骨を串に刺し、涼しく風のよく吹く場所で干す
   私の店の場合、野外に干すには 排気ガスと猫が不安にさせるので
   店内で扇風機を使って乾かします

程よく乾いたら、キッチンペーパーなどで包み 冷蔵庫へ。

身の方は、火であぶったら 最高!
  骨の方は、油で素揚げにしたら これまた最高!




 割烹 逆瀬川 川上
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