■ 結局、蕎麦つゆ! ■
web name : 徳次郎
トップページ
プロフィール
食する
水回し
練 る
延ばす
切 る
茹 で
締める
盛付け
そば粉
蕎麦つゆ
そば湯
薬 味
道 具
〇〇蕎麦
蕎麦と私
心構え
食文化
扱い方
番外編
 【 蕎麦つゆ 】
感謝、そしてまた感謝 
準備も ほどほどに 
東西食文化事情 
不可欠な訳 
力強い出汁

 感謝、そしてまた感謝

とどのつまり、
「先人の知恵と努力」 のおかげです。

痩せた土壌にも育つ 「そば」 という植物を、
あの手この手を使って、そして現在、
こーんなに美味しい食べ物になっています。

「知恵」 という点では、
つゆに使う、「返し」 の存在を面白く感じます。

「出汁」 と 「返し」 を合わせたものが、
蕎麦つゆです。

私の場合は、
氷砂糖と濃口醤油を使います。

それを、
ご家庭で梅酒などを仕込む時に使う
大きなビンに入れて、
1ヶ月以上寝かして使用します。



ありがたや、ありがたや。
知恵を拝借させていただきます。

おかげさまです。





 準備も ほどほどに
たとえば、季節が 「夏」 だったとします。

冷たく 「キリリッ」 っとした蕎麦は、
とても嬉しいものです。

しかし、「冷え過ぎた蕎麦つゆ」 は、
嬉しくないものです。
美味しくないのです。

これが、「冬」 なら、なおさら嫌です。

お店だったとします。
たくさんのお客さんが来店されます。
だから、「段取りの良さ」 が大切です。

トレーに 「そば猪口」 をたくさん並べて、
蕎麦つゆを入れて、上からラップをして
冷蔵庫に・・・

手に取って、冷たい「そば猪口」 も、心無いものです。
そんな経験は、有りませんか?


まとめましょう。
「赤ワインと同じ。
蕎麦つゆ と そば猪口は、室温が良い!」




 東西食文化事情

「東京のうどんは、辛くて喰えたもんやない!」
と、大阪人は言います。

実際には、両者に塩分濃度の差は無く、
「味の濃さ」 は、同じくらいです。

薄口醤油の味付けに慣れた関西人にとって、
うどん出汁は、「かつおの香り」 が決め手です。

東京で頂くうどんは、「醤油の香り」 がするためでしょう。

では東京で、関西風に味付けをしたらどうでしょう?
それこそ、「喰えたもの」 には なりません。

原因は、関東地方の水が「硬水」 だからです。
「硬度の高い水」 では、かつおの旨味が出にくいですね。

たとえば、京都の井戸水で 出汁を取る時は、
薄く削ったかつお節で、サッと一煮立ちで漉します。

東京の場合は、荒く砕いたかつお節で、グツグツと煮出します。

この「水」の違いが、東京に蕎麦の食文化を根付かせ、
うどん好きの大阪人に、蕎麦を理解させなかった経過だと思います。

私は、京都にも東京にも住まわさせて頂きました。
どちらも、大好きな街です。

「水」の違いがもたらした、食文化の有り方に興味があります。
自分なりに、まとめていけたらなぁ、と思っています。






 不可欠な訳

今日、「かえし」 を、仕込みました。
蕎麦つゆの元となる、あの 「かえし」 です。

自家製梅酒漬込み赤キャップ瓶を、使います。

8リットルの瓶ですから、逆算した量は、
濃口醤油 :7リットル
氷砂糖 :777グラム、となります。

パチンカーが喜びそうな数字が、並びました。

この 「かえし」 の割合は、入門書 通りです。
鵜呑みにしたものから、今に至っても
改良点が見つけられずに居ます。

さて、この 「かえし」 ですが、
なぜ 寝かす?

当初、疑問に感じた私は、
初めて 「かえし」 を合わせた時に、
寝かしていない 「それ」 で、
蕎麦つゆを作り、蕎麦を食べてみました。

う〜ん、たいしたものだ。
先人の知恵と工夫に完敗。

「それ」 は、甘辛い出汁であって、
「蕎麦つゆ」 では なかった。





 力強い出汁

京都の宇治で、ざる蕎麦を頂きました。

折角の宇治という地なので、
「茶そば」 と 「普通の蕎麦」 の、あいもりを注文。

こちらのお店も、しっかりとした国産新蕎麦粉を使っておられました。
そうすると、日頃から思うように、
「純粋に蕎麦の香りを楽しみたい」 と、感じるわけです。

練り込みの物は要らない。
ま、土地柄 「茶そば」 を置かない訳にもいかないでしょうが・・・

ただ、土地柄というのなら、ここは京都、
出汁を上品に仕上げて欲しく感じました。

鰹の血合い入りと、鯖節をたっぷりと使った
野趣味溢れる蕎麦つゆは、蕎麦の風味を はるかに上回るものでした。
まして、茶そばの香りとは、ケンカし合っているようです。

ここまで力強い出汁だと、
山葵ともぶつかり合う、ということが解りました。

極端を体験することが、理解を深める最短距離!
いい勉強になりました。
(嫌味では ありませんよ!)





■ DVD 『ゼロからの手打ち蕎麦』 ■
Copyright (C) 2011 Tokujiro. All Right Reserved.