準備も ほどほどに |
たとえば、季節が 「夏」 だったとします。
冷たく 「キリリッ」
っとした蕎麦は、
とても嬉しいものです。
しかし、「冷え過ぎた蕎麦つゆ」
は、
嬉しくないものです。
美味しくないのです。
これが、「冬」
なら、なおさら嫌です。
お店だったとします。
たくさんのお客さんが来店されます。
だから、「段取りの良さ」
が大切です。
トレーに 「そば猪口」
をたくさん並べて、
蕎麦つゆを入れて、上からラップをして
冷蔵庫に・・・
手に取って、冷たい「そば猪口」
も、心無いものです。
そんな経験は、有りませんか?
まとめましょう。
「赤ワインと同じ。
蕎麦つゆ と
そば猪口は、室温が良い!」
|
|
東西食文化事情 |
「東京のうどんは、辛くて喰えたもんやない!」
と、大阪人は言います。
実際には、両者に塩分濃度の差は無く、
「味の濃さ」
は、同じくらいです。
薄口醤油の味付けに慣れた関西人にとって、
うどん出汁は、「かつおの香り」
が決め手です。
東京で頂くうどんは、「醤油の香り」
がするためでしょう。
では東京で、関西風に味付けをしたらどうでしょう?
それこそ、「喰えたもの」 には
なりません。
原因は、関東地方の水が「硬水」 だからです。
「硬度の高い水」
では、かつおの旨味が出にくいですね。
たとえば、京都の井戸水で
出汁を取る時は、
薄く削ったかつお節で、サッと一煮立ちで漉します。
東京の場合は、荒く砕いたかつお節で、グツグツと煮出します。
この「水」の違いが、東京に蕎麦の食文化を根付かせ、
うどん好きの大阪人に、蕎麦を理解させなかった経過だと思います。
私は、京都にも東京にも住まわさせて頂きました。
どちらも、大好きな街です。
「水」の違いがもたらした、食文化の有り方に興味があります。
自分なりに、まとめていけたらなぁ、と思っています。
|
不可欠な訳 |
今日、「かえし」 を、仕込みました。
蕎麦つゆの元となる、あの 「かえし」
です。
自家製梅酒漬込み赤キャップ瓶を、使います。
8リットルの瓶ですから、逆算した量は、
濃口醤油
:7リットル
氷砂糖 :777グラム、となります。
パチンカーが喜びそうな数字が、並びました。
この 「かえし」
の割合は、入門書 通りです。
鵜呑みにしたものから、今に至っても
改良点が見つけられずに居ます。
さて、この 「かえし」
ですが、
なぜ 寝かす?
当初、疑問に感じた私は、
初めて 「かえし」 を合わせた時に、
寝かしていない 「それ」
で、
蕎麦つゆを作り、蕎麦を食べてみました。
う〜ん、たいしたものだ。
先人の知恵と工夫に完敗。
「それ」
は、甘辛い出汁であって、
「蕎麦つゆ」 では なかった。
|
|
力強い出汁 |
京都の宇治で、ざる蕎麦を頂きました。
折角の宇治という地なので、
「茶そば」 と 「普通の蕎麦」 の、あいもりを注文。
こちらのお店も、しっかりとした国産新蕎麦粉を使っておられました。
そうすると、日頃から思うように、
「純粋に蕎麦の香りを楽しみたい」 と、感じるわけです。
練り込みの物は要らない。
ま、土地柄 「茶そば」 を置かない訳にもいかないでしょうが・・・
ただ、土地柄というのなら、ここは京都、
出汁を上品に仕上げて欲しく感じました。
鰹の血合い入りと、鯖節をたっぷりと使った
野趣味溢れる蕎麦つゆは、蕎麦の風味を はるかに上回るものでした。
まして、茶そばの香りとは、ケンカし合っているようです。
ここまで力強い出汁だと、
山葵ともぶつかり合う、ということが解りました。
極端を体験することが、理解を深める最短距離!
いい勉強になりました。
(嫌味では ありませんよ!)
|