■ 結局のところ、気が付くか?付かないか? ■
web name : 徳次郎
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 【 心構え 】
機械打ちも、「いぃ〜よね〜」 
うわっちゃぁ〜 
3たて、について 
土台にあるもの 
失敗に学ぶ 
なんともはや・・・ 
ひとり遊び 
「早く」 が肝心


機械打ちも、「いぃ〜よね〜」 

「機械打ち」 と 「手打ち」 とでは、
私は、手打ちの方が、美味しいと思っています。
「機械では出ない味」 参照 )

では、機械打ちに長所は無いのか、というと違います。
キョーレツなメリットが、2つ有ります。

一つは、
当たり前のことですが、「大量生産」 出来ること。

手打ち蕎麦を打つ私は、一度に15人前を打ちますが、
所要時間は、約70分掛かります。

仮に、寝ずに打ったとしても、
「8時間で103人前」 しか打てない計算になります。
( 大変ですね、けんしょう炎になるかも )

「効率」 という点では、
明らかに機械打ちのほうが、勝っています。

世界で「産業革命」 が起こったのも納得!


もう一つのメリットは、
「衛生的」 ということです。

逆の言い方をすると、手打ちには、
「不潔な要素がたくさんある」 ということです。

手・指を清潔にするのは勿論、着衣にも気を遣います。
髪の毛やフケの事も考慮して、着帽は当然の事です。

あと、話ししながら打つ場合は、マスクの着用も絶対です。

「 年末恒例もちつき大会 」
つく方じゃなく、こねてた人が、
「あっ、爪の間がきれいになった」 などは、
聞きたくない言葉です。

あと、「汗」 ですね。
蕎麦打ちは、運動量の多い作業です。
麺棒を使って延ばす工程は、かなり暑いものです。
私は、冬以外は冷房を掛けながら打つようにしています。


以上のようなメリットを考えると、
現代社会では、「機械打ち蕎麦」 が主流になることは
当然のことのように思えます。

だからこそ、
だ ・ か ・ ら こそ、
手打ち蕎麦の味にこだわりたい!
そう思う今日この頃で、ある。





 うわっちゃぁ〜

やってしまった。

昨日、牡蠣(かき) を剥くときに、
指を切ってしまった。

牡蠣の薄い殻は、カッターナイフのように
よく切れる。

こうなると、今日の蕎麦打ちに
多大な支障をきたします。

消毒・絆創膏・指サック・・・
特に 「水回し」 が、やりにくいです。

チョットした傷で、
蕎麦打ちの楽しさが半減します。

蕎麦を打ちながら思いました。

中指の先を怪我したら、
野球のピッチャーは、登板無しになるなぁ・・・




 3たて、について

蕎麦の事を 勉強いていくと、
「3たて」 という言葉に よく出会います。

旨い蕎麦を作るための、3要素、
「挽きたて」 ・ 「打ちたて」 ・ 「茹でたて」 。

どうなんでしょうか?
不思議に思うことが有ります。

「茹でたて」 は、理解できます。
  
「お待たせ致しました。」 と言って、
お客さんに、お出しした途端に、
その方の 携帯電話が鳴る。
席を立って、戻って来られない。

2分位は待ちますが、それ以上経過すると、
戻られてから、もう一度作り直します。

「茹でたて」 それは、当然です。


次に、「挽きたて」。
私の場合は、自家製粉していませんので、
正直言って、解かりません。

同じ蕎麦の実を使って、
「挽きたて」 と 「時間が経過したもの」 とを、
食べ比べてみたい、と思っています。

違いの有無、また 「その差」 を。


最後に、「打ちたて」。
これが、なんとも不思議なんです。

「打ちたて」 じゃない蕎麦っていうのは、
どれくらいの時間が経過したもの?

2時間? 10時間? 1日? 

また、そのようになった蕎麦は、価値がないの?

本や、インターネットには、
たくさんの情報が、溢れています。
しかし、「手打ち蕎麦の賞味期限」 については、
全くといっていいほど、触れられていません。

業界の 「タブー」 なのかな?

後日、書かせて頂きます・・・

                    → 「 賞味期限 その1 」 参照


 土台にあるもの

「舌を作れ」
初めてこの言葉を聴いたのは、19歳の時でした。
板前修業を始めて 2年目の夏。

雲の上の存在の 兄貴分からの言葉です。

意味は、「ゆるぎない鋭敏な味覚を持て」、と
解釈しました。

味を、把握し、分析が出来て、対応も的確。
旨味に敏感で、いち早く「腐」を発見する。
と、こんなところでしょうか。

「舌を作る」 というフレーズは、
その後、耳にしたことはありません。
おそらくこの方の、独特の言い回しだったのでしょう。

良い教えを頂いた、と感謝しています。


あれから永い時が経ち、今 「旨い蕎麦」 と向き合う。
イメージする蕎麦が 自分の中にあり、
目標とする完成が、まだここに無い。

自分の味覚を信じて、頑張らねば。
若かった あの頃のように・・・




 失敗に学ぶ

自分で打った蕎麦を、毎日 味見しています。
なのに、気が付かなかった。
そこに、こころ 落ち込む。

一昨日に打った蕎麦は、九一そば。
蕎麦粉9割と、小麦粉1割。
の、はずだったのに・・・

小麦粉と間違って、「打ち粉」 を測っていました。
それと気付かずに、粉合わせをし、
それと気付かずに、蕎麦を完成させていました。

さらに最悪は、その蕎麦を昨日 味見したのに、
この時点で気付かなかったこと。

つくづく、思いました。
たいしたことないなぁ、私の感性、って。




 なんともはや・・・

「頑固一徹」 の店は、お好きですか?

バブル経済が 華やかかりし頃には、
そんな寿司屋が有りました。

食べ方や注文の順番などを、
命令口調で、まくしたてる寿司職人。

現在では、見る影も無くなりましたね。

ところが、
蕎麦屋には、「たまに有る」 という噂は耳にします。
今日の昼、私が入った店が、それでした。

そこは、住宅街。
「手打ちそば」 という大きな 「のぼり」 が目に入り、入店。

4つ有るテーブルの一席に、4人のおばさんが食事中でした。
私は、端のテーブルに座り、メニューを見ています。

しばらくして、店員さんがお茶を運んでくれたのですが、
その若い男の店員の目つきの悪いこと。
口を「へ」の字にゆがめ、ぶっきらぼうに「何しましょ?」。

( あぁ、こういう店かぁ ) と、すぐに理解しました。

なぜなら、さっきから店主の声がうるさく聞こえていたからです。
4人のおばさんのテーブルの横に仁王立ちして、
愚にも付かない講釈をたれていました。

「薬味は こう使え」 ・ 「つゆは この量」
「すぐ食べろ」 ・ 「天婦羅はまだ早い」・・・

「ざるそば」 を注文したものの、
入店してわずか5分で、もう うんざり。
店を出たくて 仕方がありません。

出された蕎麦は、ちゃんとした手打ち蕎麦で、
感心するほどの事は無いにしても、まじめな仕事ぶりは見えます。

半分ほどを食べ終えた頃、
いきなり私の目の前に、茶碗が差し出されました。
テーブルに茶碗が運ばれた訳ではなく、
主人が手に持って、私の目の前に差し出して、一言
「腹減った、蕎麦くれ!」、と。

何がなんなのか、あっけにとられた私でしたが、
当たり前のように、拒絶しました。

が、店主もしつこく言ってきます。
「腹減った、蕎麦くれ!」

右手に 「塩」 を持っていたので、意味は すぐに解かりました。
「塩で喰ったら旨いで」 的な パフォーマンスが したかったのでしょう。

そして、この頑固親父ぶりが、この店の 「売り」 なのでしょう。

でも、残念。
そのオヤジのしかめっ面と、ぶ然とした話し方に、
完全に不潔感を抱きましたから。

もうこうなると、このオヤジが打ったであろう蕎麦も信用がならず、
残りの半分も、食べる気が失せてしまいました。

以前に、このサイトでも書きましたが、
「手打ち」 には、不衛生な要素が たくさん有ります。
打ち手の人柄は、絶対的に信頼が必要だと思っています。

蕎麦を残し、席を立ち、支払いをする。
1000円を受け取る これまた 「への字」 の、ばばあ店員。

自宅に帰ってから、ネットで調べたところ、この店 「美味しいと評判」 。

幸せな国、日本。





 ひとり遊び

気合いの入らない話を・・・

私は自分の店の調理場で、蕎麦を打ちます。
調理場といっても、細いスペースのカウンターの中です。

台下冷蔵庫の上に、木鉢を置いて 「水回し」 や 「捏ね」 。
背の棚と冷蔵庫に、板を橋渡しして、 「のし」 の作業。
シンクの上にまな板を置いて、 「切り」 をします。

なんとも、人さまには、お見せしにくい設備の無さです。

蕎麦打ちは、独りで黙々と打つものですから、
これでも構わないのですけど。

どうせ 黙々と打つなら、
お気に入りの音楽でも聴きながら、打ちましょうか?
落語なんかも、いいですね。

それよりも、私がもっと好きなのが「DVD」。
ポータブルDVDを前にして、蕎麦を打ちます。

さすがに、画面から目が離せないような映画は、難しい。
丁度いいのは、テレビから録画した、討論番組や検証番組などです。

私のお気に入りは、「たかじんのそこまで言って委員会」 。
この番組は東京では、放送されていないらしいですね。
放送禁止トーク連発の、過激な面白さがあります。

DVDを観ながら蕎麦を打つ。
これこそ、人さまには、お見せ出来ませんね。





 「早く」 が肝心

蕎麦は、すぐに 「のびる」 って、ご存知ですか?
のびた蕎麦は、「まずい」 って感じますか?

私は、ここのところずっと 「十割蕎麦」 を打っています。
つなぎ無しの十割蕎麦は、さらに のびやすい。

この蕎麦を、のびるまでに食べて頂くには、
「時間との勝負」 を余儀なくされます。

当店の 昼の営業の段取りで 説明します。
                 「量の話 その2」 参照


お客様が見えたら、
お盆に、「蕎麦つゆ、薬味、漬物、割り箸」 をセットします。

生蕎麦を茹で鍋に入れて、軽くかき混ぜたら、
茹で上がりまで、あと30秒です。

この30秒の間に、御飯をよそい、お盆にセットします。

茹であがった蕎麦を 洗い・冷やし・盛り付け して完成。

「茹で始め」 から、「お客に提供」 までが、約1分です。

旨い蕎麦を食べるためには、
「作り手」 と 「食べる側」 の両方に
「早く」 ということが要求されます。

是非、美味しいうちに召し上がって頂きたいものです。

こう考えると、
「蕎麦の出前」 って、別の世界の話ですね・・・







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