賞味期限 その2 |
その蕎麦屋さんは、
「打ちたて」 に重きを置いています。
だから、お客が見えて注文を頂いてから、
「粉合わせ ・ 水回し」
を始めます。
大勢は入店出来ませんし、注文後、小1時間は待って貰います。
このお店の 「基準」
ですね。
かといえば、こんな職人さんもいます。
「 蕎麦は 一日寝かさないと旨くない。
今日打った蕎麦は、明日の分!
」
この二人の価値観は、真っ向から否定し合っています。
私には、よくわからない。
なぜかというと、「3日目までは打ちたて」
論者ですから・・・
そのほかに、こんな方もいます。
先日、「某こだわり手打ち蕎麦屋」 で
私が頂いた 「ざる蕎麦」
は、
私が言うところの 「4日目の蕎麦」 でした。
ひねた匂いのする、「打ちたて」
ではない蕎麦でした。
食べられない訳では無いですし、
この匂いに気付かない客も多いのでしょう。
私にとって価値のない蕎麦も、この店では
「商品」 でした。
それぞれの 「基準」 です。
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本格蕎麦を売るには・・・ その1 |
当サイトは、「ざるそば」 に特化して書いています。
だから、 「お蕎麦屋さんの経営」 の事を語るのは、
場違いなのですが・・・
隣町に、新しくお店が開店しました。
「手打ち蕎麦」の看板を揚げ、ご夫婦で切り盛りしています。
蕎麦屋として設計されたであろう、それらしい店造りです。
ガラス貼りの麺打ち場、茹で鍋を考慮した充分なスペース。
真新しい木目調の壁や、テーブル ・椅子 ・カウンター。
しかし、お蕎麦屋さんらしい店内とは逆に、
接客業が板に付いていないこのご夫婦。
この開店が、商売の第一歩のように、お見受けいたします。
いろいろと悩まれたことでしょう。
あれこれと試行錯誤されたことでしょう。
ご主人の打つ蕎麦は、
真面目な仕事ぶりの見える 「本格手打ち蕎麦」です。
私は、好きです。 美味しく頂きました。
しかも、半年もすれば、この方は
もっと美味しく仕上げるんじゃないか、という期待感さえ感じます。
ただ、ひとつ・・・
「これが20年前ならなぁ」 と思ってしまいます。
牛丼250円の、長いデフレの超不景気時代。
おまけに、「関西の地」。
旨いざる蕎麦を、どのように伝えていきましょうか?
つづく
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本格蕎麦を売るには・・・ その2 |
「手打ち蕎麦」 の看板を揚げたお店は、
お客様から、何を求められているのでしょうか?
「何言ってんの? 旨い蕎麦に決まってるじゃない!」
と、いう声が聞こえてきそうです。
いえいえ、事はそれほど単純ではありません。
大きく 2つ に分かれると思います。
【A】 純粋に蕎麦の旨味を味わいたい
【B】 1回の食事として満足したい
もしも、【A】の方だけを集めて、ご商売が成り立つならば、
お蕎麦屋さんにとってこんなに嬉しい事はないと思います.
メニューは、「ざる蕎麦」 のみ
とろろ・大根おろし・天婦羅 一切有りません! という店。
もちろんこの場合は、厳しく 「孤高のざる蕎麦」 に仕上げないと
お客さんの納得は得られないでしょう。
問題は、【B】の方です。
食事として満足したい方は、
定食のように、バランスの良い複雑・多岐に渡った味を求めます。
天婦羅は欲しい。 鴨が大好き。 薬味は多いほど嬉しい。
手打ち蕎麦本来の味は、どんどん隅に追いやられていきます。
【A】と【B】のお客様の、どちらがいいか?という事ではありません。
両者のニーズに対して、
店側がどういったメニューでお迎えするのか
という、基本的な大問題が 確実に存在しているわけで・・・
つづく
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本格蕎麦を売るには・・・ その3 |
もし私が蕎麦屋だったら・・・
当店で現在 用意している 「本格手打ち蕎麦」 を
メインメニューにしたいと思います。
しかし、このメニューだけで商売が出来るほど
蕎麦屋経営が簡単なわけがない。
当然、「種もの」 や 「熱もの」 も必要でしょう。
その中の1つに、「卵とじあんかけ蕎麦」 を入れるとします。
この場合の麺に、「本格手打ち蕎麦」用の麺を使うでしょうか?
あり得ません。
すぐに延びる特性を持つ 手打ち蕎麦は、
あんかけの熱に耐えれずに、グズグズになります。
また、蕎麦本来の風味は、「あんかけ」では表現できません。
そもそも、「あんかけ蕎麦」 を注文される方は、
蕎麦の風味や食感 ・喉越しなどを求めてはいません。
出汁の旨味や満腹感 ・体を温めたい、という方向性でしょう。
あんかけ蕎麦をご注文の、この方を満足させるには、
しっかりとした麺を使うことが必然です。
製麺所の生そばや、乾麺です。
「あんかけ蕎麦」 や 「カレー蕎麦」 においては、
手打ち麺よりも、「乾麺」 の方が旨いと思います。
もし私が蕎麦屋だったら・・・
つらいです。
「手打ち蕎麦」 の看板を揚げて いいものだろうか?
つづく
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本格蕎麦を売るには・・・ その4 |
実際に、「本格手打ち蕎麦」 の看板を揚げているお店は
どうなさっているのでしょうか?
「種もの ・熱もの」 の全てに、
手打ち蕎麦を使用しているのでしょうか。
もちろん、否定している訳では ありません。
上記にも書いたように、「美味しく・安く」 を意識すると
麺(手打ち・機械打ち) を使い分けることは必然の事。
私が蕎麦屋なら、そうします。
問題は、お客さんが、「納得」 してくれるかどうかです。
蕎麦を注文される人を、こんなふうにも大別が出来ます。
【1】 「風味と食感・喉越しの良さが不可欠!」 という人
【2】 「うどんより細くて黒いもの」 と捉えている人
店側が、こだわれば こだわるほど、
お客さんとの距離が遠ざかっていくように感じます。
解決策は、客のニーズに対応することです。
こういうと、「また分かり切ったことを言って。」 と思ったでしょ。
違うんです。
実際に私が言うところの「客のニーズ」 に合せることを
実践している蕎麦屋さんは皆無では ないでしょうか。
つづく
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本格蕎麦を売るには・・・ その5 |
お客さんが蕎麦に求めているものを
大別してきました。
【そば屋に求めるもの】
(A) 純粋に蕎麦の旨味を味わいたい
≪蕎麦の味に惚れ込んだ人≫
(B) 1回の食事として満足したい
≪天ぷら蕎麦と親子丼 など≫
【麺への意識】
(1) 「風味と食感・喉越しの良さが不可欠!」 という人
≪不味い蕎麦に怒りをおぼえる≫
(2) 「うどんより細くて黒いもの」 と捉えている人
≪そば通の人を嫌う≫
このように、お客さんのニーズ(欲求)を分類すると、
お店側の「やるべき事」 が見えてきます。
【A−1】
蕎麦本来の旨味に徹底した、ざる(せいろ)を提供
【A−2】
(こんな人は 居ないでしょう)
【B−1】
ざる蕎麦だけでは物足りない。
種もの(天ぷら・鴨など)や、御飯(丼・かやく御飯など)
【B−2】
カレー蕎麦、かき揚げ蕎麦、納豆蕎麦・・・
さあ、大変です。
1件の店で対応が出来るのか? という気になります。
つづく
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本格蕎麦を売るには・・・ その6 |
これまで述べてきたことを、まとめてみます。
蕎麦屋さん側の事情に対して、
お客さんの納得を頂ければ良いわけです。
「またまた。」って?
当たり前の事にしか聞こえないですか?
昨今の情報化社会に於いて、
「プロしか知らない事」ということは稀だと思います。
その気になって調べると、誰でも高い知識は得られる時代です。
蕎麦のことにしても、詳しい方がたくさんいらっしゃいます。
ですが、残念なことに・・・、
蕎麦の味を正確に理解できる人は、稀少ではないでしょうか?
蕎麦、特に手打ち蕎麦に対して、曖昧な基準しかもっておられず、
「自分の好みの問題」という言葉で
片付けてしまわれている現状があります。
もちろん、すべての人に対して言っている訳ではありません。
自称・蕎麦通という方のなかにも、理解の浅い方が居るという話です。
もう一つ加えますが、「だから駄目」というものでは有りません。
むしろ、お客さんは自由なのです。
勝手を言っていいのです。
しかし売る側は違います。
手打ち蕎麦を売ろうとするプロなら、
「お客様の求めるものへの理解は絶対的な技術。」という意味で、です。
このように、蕎麦に対する理解や望みが多様化している今、
どのようにすれば、手打ち蕎麦が売れるのかを考えてみました。
それは、「差別化」 と 「自己開示」。
つづく
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本格蕎麦を売るには・・・ その7 |
差別化とは、
「メニュー」・「理解度」・「価格」の3つを差別化してしまおう
ということです。
★【 メニューの差別化 】
前述の【B−2】のお客様に喜ばれる「量」と
【A−1】を求められる方への「質」を差別化する
「美味しい蕎麦をお腹いっぱい食べる」
一見、真っ当に聞こえる言葉ですが、
本格蕎麦に関しては、ちょっと疑問が起こります。
【A−1】のような方は、
「美味しかった、もう少し食べたかった。でも満足!」
という場合が多く見受けられます。
満腹感が、「本格蕎麦の旨さへの喜び」を殺してしまう事を
体験的にご存知だからではないでしょうか。
こういった方に、「量」を差し出すことは、
蕎麦の価値を下げる事に繋がると感じます。
逆に、【B−2】のお客様には、
「こんなにたくさん食べきれるだろうか」と
思わせる演出が必要になると思います。
でも、【A−1】 と 【B−2】 が、同人物の場合もありますよね。
「今日は、こんな食事がしたい」という欲求は、毎食変化します。
そういった意味に於いて、メニューの差別化が必要だと感じます。
つづく
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本格蕎麦を売るには・・・ その8 |
★【 理解度を差別化 】
ちょっと鼻に付く言葉に聞こえるかも知れませんね。
頑張って書きます。
手打ち蕎麦を提供していると、気付くことがあります。
手打ちの良さを、
理解されている方と、そうでない方がいらっしゃる事に。
理解が浅いことが悪いという訳ではありません。
むしろ、当然のように思います。
野球のルールを熟知していなくても、観戦は楽しいものです。
割烹店を営む私は、天然物を使うことに こだわりますが、
お客さんに対し、それを誇示したりなんかは致しません。
天然物を使うことは、喜んで頂く為の手段の1つにしか過ぎないからです。
手打ち蕎麦の値打ちなどは、なかなか解かりにくいものです。
むしろ、「蕎麦通」という人がマニアックなのかもしれません。
なので、頑固な蕎麦屋が、客を叱りつけるなんてのは、愚の骨頂です。
私が言う、「理解度の差別化」とは、
個々のお客様の蕎麦に対する理解度を、店側が知っていると
優しい対応が出来ると思いませんか?
ということです。
もちろん、お客様に喜んで頂く為の手段の1つとして、です。
つづく
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本格蕎麦を売るには・・・ その9 |
★【 価格を差別化 】
メニューによって、麺を使い分ける必然性は、
「その3」 で書きました。
もり(ざる蕎麦)と、あんかけ蕎麦が、
同じ麺では具合が悪い、とかなんとか。
では、この2種類の麺の原価は、それぞれいくらでしょうか?
○製麺会社の生麺
1人前の原価 40円〜150円
蕎麦の原産国 ・小麦粉の割合 ・生産国などで大きく変わります。
○徳次郎が打っている蕎麦
1人前の原価 140円〜160円
この価格の違いを徹底して考えてみましょう。
「生そばの1人前」の原価を記しました。
「40円〜150円」
茹でる直前の状態にある蕎麦の仕入れ原価です。
しかし、私の蕎麦の 「140円〜160円」 は、蕎麦粉の原価であって、
麺の原価ではありません。
製粉会社から、厳選して仕入れた蕎麦粉を使い、
手打ちによって、付加価値が付いた生蕎麦から
付加価値を引いたものが、「140円〜160円」です。
手打ち蕎麦が、いかに高価な物かが解ります。
では、製麺会社の 「150円」 という商品は、どんな物でしょうか?
それは、国産蕎麦粉使用 ・石臼挽き ・二八の割合 ・
賞味期限2日 ・冷凍不可 ・クール便で配送、という物です。
ここまで丁寧に管理されたこの麺が、不味い(マズい)とは
考えにくいですよね。 きっと、美味しいでしょう。
では、手打ちによって増える、付加価値ってどれほどのもの?
つづく
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本格蕎麦を売るには・・・ その10 |
付加価値の話の前に、原価についてもう少し・・・。
蕎麦を手打ちする場合、
つなぎに使う「小麦粉」と、打つ際に必要な「打ち粉」の代金も
原価に加算されます。
また、特別な「水」を使う場合は、
その代金も加えて「原価」でしょう。
また、「自家製粉」をなさっているお店なら、さらにプラスα。
ですが、私が考えるところの 「原価」 には、それ以外に
「打つ手間賃」 という大きなものが存在します。
手打ち蕎麦というのは、究極の自家製々品ですね。
ご自分で蕎麦を打つ店のご主人の、
1時間当たりの労働対価はいくらですか?
2000円? 2500円?
仮に、ご近所に蕎麦打ち名人のお爺さんがいて、
その方にお願いしたとします。
1時間雇用で、打てる数15人前 賃金1000円だとすると、
蕎麦1人前に対し、67円が加算されることになります。
もちろん税法上は、「仕入れ」ではなく、
「人件費」で計上される項目ですが、
手打ち蕎麦を扱うかぎり、売値価格を考える際に重要な事です。
「うちの店は、家族総出で頑張ってるから賃金は無し」
で済む話ではありません。
この事を踏まえて、「付加価値」というものを、
どのように付けていくのか、が問われています。
つづく
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本格蕎麦を売るには・・・ その11 |
そもそも、なぜ手打ちで蕎麦を作るのでしょうか?
「趣味で。」や、「楽しいから。」も、アリですね。
ただ今回は、「本格蕎麦を売るには・・・」なので、
商売人サイドから考えてみます。
答えは、「一番旨いから」ではないでしょうか。
「蕎麦を扱う者として、最高の味を表現したい。」、という想いが、
手打ち蕎麦なんていう大変な作業をさせるのでしょう。
だからその商品には、大きく付加価値を付けるべきです。
この場合は、利幅を取るという意味です。
人は、「満足」や 「納得」 という感情に対してお金を使います。
私自身は理解が出来ないのですが、
エルメスのケリーバッグ 100万円なども
購入者が納得されている正当な対価なのでしょう。
蕎麦の味を熟知されている方に、満足と納得をされたいものです。
「製麺会社から仕入れた麺」と、「手打ちの麺」の違いを
理解されている方に 「高額でもいいから」 と、求められたいものです。
こういった意味で、価格の差別化の表現が必要になると思います。
つづく
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本格蕎麦を売るには・・・ その12 |
本格蕎麦を売るには、「差別化」 が必要だと書いてきました。
そして、もう1つ 「自己開示」 が必要だとも書きました。
自己開示
店側の事情で差別化している現状を、
お客様に対して、宣誓・宣言してしまおう、という事です。
包み隠さずに自己開示しよう、という事です。
昨今の飲食業界は、数々の不祥事のために、
消費者であるお客様が、疑心暗鬼の状態です。
食品偽装、産地偽装、日付改ざん、食べ残しの使い回し・・・
外食産業に、半ば諦めている感を受けます。
当然悪いのは、提供する側です。
お客様が犠牲者になっています。
この犠牲が、大きな反動となって飲食店に
跳ね返って来ているのが現在ではないでしょうか。
真摯な態度で、「お客様が求めている物」 に着目する時です。
まして、商品は 「手打ち蕎麦」 という解かりにくい食材です。
その良さを伝える事が困難な料理です。
丁寧に自己開示していきましょう。
つづく
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本格蕎麦を売るには・・・ その13 |
自己開示をするにあたり、
お客様と店側を結び付ける 「大きな接点」 を利用します。
それは、メニュー表 (献立) です。
メニュー表を見ないというお客様はいません。
お客様の「なぜ?」 に応える、最適なツールです。
ちょっと想像してみてください。
駅の構内にあるような「立喰いそば」のお店なら、
商品名と価格を、ズラリと並べるだけで納得されるでしょう。
むしろ、1つ1つに商品説明が書かれいても邪魔なだけです。
では、「本格手打ち蕎麦」のお店では、どうでしょうか?
「ざるそば 900円」
これでお客様の納得が得られるでしょうか?
おそらく、「なぜこんなに高いの?」と思われるでしょう。
「高いから美味しいはず。」と、思ってくれたのは昔の話です。
前項に書きましたが、消費者は騙され続けてきたのです。
他店と比べて高額なら、なぜ高いのかを理由付けして
説明する必要が有ります。
その上で、お客様が食べたいと感じていただき、
そして納得されて注文をもらって初めて「物の道理」です。
では、ちゃんと説明して自己開示しているお店が
どれだけあるでしょうか?
つづく
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本格蕎麦を売るには・・・ その14 |
「その8」 で書いた、「理解度を差別化」 したものも
自己開示してみませんか?
それぞれのお客様が求めている蕎麦には、
格差が有ると思います。
食べたい蕎麦の 「麺のレベル」 の違いといってもいいでしょう。
本格手打ち蕎麦の味が分からない事が、
悪いわけではありません。
それに、多くの日本人が、蕎麦に感動した経験が無いと思います。
それならば、知って欲しいと思いませんか?
蕎麦の味に感動できるってことを。
それを、自己開示してみませんか?
蕎麦を提供する側の、蕎麦への熱い想いや、
情熱を伝えることです。
もちろん、そんなことに興味の無い方には鬱陶しい話です。
ですが、情熱も持たない人の手打ち蕎麦に、
意味があるのでしょうか。
お仕着せがましく、「こだわり」 を語られるのは邪魔ですが、
情熱は、ごく自然にあふれ出る物です。
作る側の蕎麦への熱い想いを伝えることで、
お客様の蕎麦への理解度が増すことを願います。
つづく
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本格蕎麦を売るには・・・ その15 |
で、最後に「価格の差別化」を自己開示しましょう。
これは簡単です。
価値ある物は、高く値段付け。
価値の低い物は、安く値段付け。
もちろん、「手打ちの麺」に重きを置くという場合の話です。
極端な形に献立を作ってみましょう。
ざる蕎麦(当店手打ち) 1,500円
玉子丼 と ざる蕎麦(製麺会社の麺) 700円
どうですか? 1,500円の味に期待してしまいませんか。
蕎麦通という方なら迷わずこちらを注文されることでしょう。
1,500円という金額に、高すぎるという意識しかない方は、
手打ち蕎麦に興味の無い人です。
そういう方には、「 玉子丼 と ざる蕎麦 700円」 という商品が、
とても魅力的に映る事でしょう。
これが、蕎麦に対する理解度を差別化するという意味です。
店側が差別するのは商品であって、
蕎麦への理解度は、お客様自身に表現して頂きます。
自己開示することによって、お客様の納得と満足を引き寄せましょう、
という提案です。
つづく
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本格蕎麦を売るには・・・ その16 |
でも、さすがに 「ざる蕎麦 1,500円」 は、無理が有りますね。
では、こうすればどうでしょうか?
ざる蕎麦(140g)1,200円
追加(100g)200円 追加(100g)200円
追加(100g)200円・・・
本当に旨い蕎麦に出逢うと、1人前では物足りなくなります。
なので、追加注文します。
そうすると、(一般的な店では) 1600円になります。
(ざる蕎麦 800円×2人前)
ざる蕎麦というには、かなり高額です。
そして、考えなければならないのが、
「一枚目」 と 「追加の2枚目」 が同額であるという事。
これで、お客様は納得されるでしょうか?
からめ捕られた感じを抱かれるのではないでしょうか?
なぜかというと、感激・感動するのは、最初の一枚目に大きく感じるからです。
「かっぱえびせん」なども、初めの一口目が異様に美味しい物です。
旨い蕎麦を求めるお客様の満足感を満たすには、
トータルで考えなければならないと思います。
質・量・料金、そして店の利潤。
最終的に、そば通のお客様に満足して頂くための値段設定です。
そば通でない方が、「ざる蕎麦 1,200円」 というメニューを
注文されるとは思わないですしね。
つづく
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本格蕎麦を売るには・・・ その17 |
では、これまでの事を踏まえて、
献立(メニュー)を作ってみると・・・
―-* 【 手打ちそば 〇〇庵 】* ―-
――― ◆≪ 当店のおすすめ ≫◆ ―――
当店主が心を込めて打った本物の手打ち蕎麦をご賞味ください
★手打ち 二八 ざるそば (本日は〇〇県産 〇〇蕎麦)
1人前(140g) 1,100円
そば追加(100g) 200円
つゆ・薬味の追加 100円
★手打ち 二八 蕎麦しゃぶ (本日は〇〇県産 〇〇蕎麦)
(京都産合鴨の旨味たっぷりの出汁で 一口分づつ温めて食べて頂きます)
1人前(140g) 1,400円
そば追加(100g) 200円
――― ◆≪ 暖かい蕎麦 ≫◆ ―――
機械打ち 5割蕎麦 (株)〇〇製麺所 謹製
★かけそば 400円
トッピング 各50円
(わかめ・きざみ・おぼろ昆布・玉子とじ)
★合鴨と焼き葱の あんかけそば 900円
――― ◆≪ ご飯 ・ ミニ丼 ≫◆ ―――
木の葉丼 ・ 鶏そぼろ丼 ・ 山かけご飯 ・ 明太子ご飯 ・ 塩鮭ご飯
各350円
・・・と、こんな感じではどうでしょうか?
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